水は幽かに濁りながら、点々と、薄よごれた花びらを浮かべ、音も無く滑り流れている。私は、流れてゆく桜の花びらを、いつのまにか、追いかけているのだ。ばかのように、せっせと歩きつづけているのだ。その一群の花弁(はなびら)は、のろくなったり、早くなったり、けれども停滞せず、狡猾(こうかつ)に身軽くするする流れてゆく。「乞食学生」