01-6 花吹雪
今年の春は、ちょっと遅れてやってきました。毎年、桜の蕾みが力を蓄える時期になると、ワクワクして、落ち着きません。咲いたと思えば、1〜2週間で散ってしまう桜。今年は出来るだけ、桜前線を追いかけてみようと思いました。

私の東京八景の一つ、深大寺に至る、深大寺通りは、まだ5分咲きと言ったところ。境内のシダレザクラもまだ見頃は先の様子。

こちらは太宰と鴎外の墓のある、三鷹市下連雀は、禅林寺の境内。シダレザクラが見事。 太宰の墓の上には立派な桜の木の枝が垂れているのですが、まだ3分咲きくらい。ちょっと今年は訪れる時期が早かった。今年お話ししたのは、「娘さん(津島 佑子)の作品を原作に今やってる朝ドラ、「純情きらり」えらく面白いよ!」
禅林寺から玉川上水を目指して歩く途中、みたか井心(せいしん)亭の前を通りかかりました。純和風数奇屋づくりの文化施設。庭には太宰ゆかりのさるすべりがあります。 井心亭の裏手にいた猫。かつて、ここで、太宰と、太宰を愛した女性達を供養する、「白百合忌」が営まれていました。 私は毎年春になると必ず、この玉川上水沿いを、三鷹駅から井の頭公園まで歩きます。
桜より、花桃の方が目立ってた。でも、花桃は都会にはてんでに似合わない花だと思います。理由はずっと下に…。 山本有三記念館の手前、むらさき橋。ここから中央線のアンダーパスに至る道は見事な桜のトンネルとなります。 三鷹駅の南口には、ジブリ美術館へのバスの発着場が出来ました。おかげで、私の好きだった風景の一つが永遠に失われました。
三鷹駅南口の、玉川上水にかかる橋も、キレイに作り直されていました。かつて、この橋から玉川上水を眺めたときに、見下ろし視点で見れる桜が私は好きでした。今では、ご覧の通り。
うちの近所の南河原公園も、ちょっとした桜の名所です。ここ数年で一番愛着のある桜の風景かもしれません。 こちらは川崎駅前、私の友人が勤める会社の入っている、ソリッドシティです。この建物の沿道の桜並木も見事なもので、JRの車窓からも眺める事が出来ます。 横浜みなとみらい、日本丸メモリアルパークの横を通る、その名もさくら通り。
日本丸と、桜並木の競演。休日の横浜は、都内のゴミゴミした雰囲気と違って、なんとなくのほほんとしてていいですね。 外人墓地付近にて。このあたりは古い洋館が建ち並ぶ事で有名ですが、そういった異国の雰囲気にあってもしっかり風景の一つとして存在するのが桜の不思議なところ。 仰ぎ見る視点で、愛車と桜。
同じXJR1300オーナーのわきらさんと、甲州ツーリングに出かけました。今回の目的は、山梨県は、実相寺の、日本で一番古いと言われる神代桜と、甲府は武田神社の桜。それと、ほったらかし温泉 実相寺の神代桜については、よく、生まれ故郷の駒ヶ根から帰るとき、国道20号をノンビリ走って帰る事があるのですが、道の駅はくしゅうを超えてちょっと走ると、「神代桜」の標識があるので、いつも気になっていました。 これが名高い神代桜。樹齢は約2000年と言われています。2000年たっても、春になると必ず花を咲かせるのだから、恐れ入る。万歳をしているかのような立派な姿にしばし見とれてしまいました。われわれが訪れた時はちょうど満開でした。
枝の先に萌えてるその花はまるで手まりのよう。私は男鹿半島の海岸で、ドタリドタリと打ち上げられていた、ハタハタのブリコを思い出してしまいました。 ご光来。ちなみに、この桜の種類は、エドヒガン桜だそうです。 これは幹の部分。伸びて行く方向が定まらずに、グシャグシャになっている感じ。実は、幹がほとんど腐りかけていたのを、人々が「樹勢回復事業」で、回復させたのだそうです。
わきらさん、神代桜の前で、なにか一句浮かんだようです。 神代桜以外にも、立派な桜が多数あるのですが、神代桜のスケールに圧倒されて、どうしても地味に見えてしまいます。手前の黄色い花はスイセン。 実相寺にて、木人を発見。整形前のジャッキーよろしく、果敢にアタック。クリックすると、映画、「実相寺木人拳」のワンシーンが!
武田神社は、甲府駅の北口、その名も武田通りの緩やかな坂を上り切ったところにあります。武田通りは花吹雪。 武田神社は、武田信玄を祭ってあって、毎年、四月十二日に大祭があり、そのころには、ちょうど境内の桜が満開なのである。(「春昼」太宰治) わきらさん、「こどもおみくじ」を引いて、ご満悦の様子。彼の運命を知りたくば、クリック!
四月十二日は、信玄が生れた日だとか、死んだ日だとか、家内も妹も仔細(しさい)らしく説明して呉(く)れるのだが、私には、それが怪しく思われる。サクラの満開の日と、生れた日と、こんなにピッタリ合うなんて、なんだか、怪しい。話がうますぎると思う。神主さんの、からくりではないかとさえ、疑いたくなるのである。(「春昼」太宰治) 拝殿の東側にある、名水「姫の井戸」。なんだか妙にヌルめの湧き水。信玄の娘さんの産湯に使われた事から、名付けられたそうです。「信玄の井戸」というのもあったのですが、こちらは水が濁って、汚い。 「姫の井戸」のすぐそばには、「武田水琴窟」があります。中には瓶が入っていて、落ちる水滴の音が反響して、澄んだ音色を響かせます。周囲がざわめいていても聞きやすいように、竹の筒が用意されています。わきらさん、それは覗くものではありません。
武田神社の東の外れに、「藤村記念館」という洋風建築の古い学校校舎があります。中には昔の教科書やら、教材、甲府の歴史などが展示されています。 このように、古き良き教室がそのまま残されています。机に置いてある国語の教科書は、手に取る事が出来ます。「サイタ、サイタ、サクラガ、サイタ」(わきら)「先生!お腹痛いので保健室行っていいですか。」(私) 「あたし、桜を見ていると、蛙(かえる)の卵の、あのかたまりを思い出して、--」家内は、無風流である。(中略)
「僕は、食塩の山を思い出すのだが。」これも、あまり風流とは、言えない。
「蛙の卵よりは、いいのね。」妹が意見を述べる。「あたしは、真白い半紙を思い出す。だって、桜には、においがちっとも無いのだもの。」(「春昼」太宰治)
武田神社の入り口にある「かぶとや」というお土産屋さんで今年初のご当地ソフト。やはり甲斐と言えば巨峰です。「風林火山」Tシャツを購入して、大喜びのわきらさん。つられて私も購入しました。ソフトを売っていたおねえさんに、軽くホの字の私であった。(写真取っとけば良かった…) 昨年の秋、甲府駅前の「ちよだ」で食べたほうとうが忘れられず、また訪ねたのですが、ちょっと時間が早かったのか、お店が開いていませんでした。うーん残念。仕方なしに、「小作」の近くの「いつものとこ」というところでほうとう食べた。これもなかなか…。入った時はまだ仕込み中で、店内のBGMは「ロッキー」でした。仕込みの時は「ロッキー」でテンションあげてるんだな、ここのご主人。 さて、甲州の旅の締めくくりはやはり、「ほったらかし温泉」です。今回は道中、笛吹川フルーツラインの桃の花が満開でした。温泉から眺める甲府盆地は、ほんのりピンク色に染まっています。
今年のGW、能登半島を一周した後、生まれ故郷の長野県は駒ヶ根市に立ち寄りました。そのとき訪れた、「花桃の里」。 花桃、シバザクラ、山吹などが咲き乱れ、花の色で霞がかかるくらいに、まぶしい光景。長野の地方紙のトップを飾る、駒ヶ根の新名所。 奥に見える、休み処「すみよしや」ご主人が数年かけてこの川沿いに花桃を植えたそうです。その色彩のセンスは見事です。川岸にはかつて民家があったのですが、川が氾濫して、全部流されてしまったのだとか。
洗車したてでピカピカの愛車と、花桃。 シバザクラの絨毯。 「すみよしや」の脇の小道もこの通り。
花桃は、一つの木に、色違いの花を結ぶものもあります。 ちなみに、ここ、結構解りにくいところにあります。場所は今のところ内緒にしておきます。 どうしても訪ねてみたい方、いらっしゃいましたらメールください。こっそり教えます。
川で水浴びしていた鳥。遠くから見ると鳩のようでした。しかし、結構甲高い声で鳴く。いろいろ調べたのですが、おそらく、カワガラスという鳥の幼鳥なのでは…? こちらは、駒ヶ根を代表する名所、天台宗の光善寺の仁王門です。何年か振りに訪れました。信州と言えば、長野の善光寺が有名ですが、私はなんてったって光善寺。ここに紹介できるのがちょっと嬉しかったりします。 仁王門をくぐると、杉並木参道があります。皆、石垣の隙間を一生懸命覗いていますが、その理由は…。
このように、まばゆくグリーンに光る、ヒカリゴケが自生しているのです。4月下旬から11月上旬が見頃。これを盗んでく不届きものがいるせいで、石垣の手前に柵が作られていました。 光善寺のしだれ桜も素晴らしいものです。ちょうど満開でした。 見事な杉並木を歩いて行くと、目の前に三門という立派な門が見えてきます。
立派な鐘楼と、しだれ桜。 この枯れ具合がたまらない。 高さ17メートルの三重塔。
本道の脇には延命の水。もちろん飲めます。 霊犬、早太郎の墓。早太郎の伝説については、駒ヶ根の温泉地、早太郎温泉郷のページを参照してください。早太郎温泉の「こまくさの湯」は、露天から南アルプスを一望できるオススメの日帰り温泉。 この光景と、「表参道ヒルズ」、さて、本当に美しいのはどっち?
これは何の実でしょうか?駒ヶ根の自然に抱かれてると、何でも食べれそうに見えてくる…。 トンネル構図のしだれ桜。 さて、駒ヶ根名物と言えば「カツ丼」(駒ヶ根でカツ丼と言えばソースカツ丼をさす。)駒ヶ根IC近くの明治亭が大人気ですが、私はカツ丼といえば、駅前の精養軒。でも混んでて入れず…。
仕方なしに、駒ヶ根駅前ではかなり目立つ和食レストラン「水車」に入る。もう、何年ぶりかしら。頼んだのはカツ丼の「竹」。散々待たされた割に冷めてるし、お子さまランチのようなフルーツは減点だぞう!かわりにもっとキャベツを!
この春は、恒例の武蔵野から始まり、山梨の神代桜、甲府は武田神社、そして、ゴールデンウィークには北陸、能登、信州と旅してきましたが、どこを旅しても、しっかり桜を見る事が出来ました。春の訪れが遅かった事を実感しました。
それから、生まれ故郷、駒ヶ根の花桃の里。あれはよかったな〜。その前に能登を走ってきて、感動感涙でお腹いっぱいだったのに、別腹ものの感動でした。一度見たら忘れられない光景です。
この場で、生まれ故郷駒ヶ根を紹介できた事も、嬉しい事です。ぜひ、一度訪れてみてください。雄大なアルプスと、きれいな空気と、水、素朴な街、人々が都会に疲れたあなたを、優しく癒してくれる事でしょう。カツ丼も忘れてはなりません。