栃木は宇都宮からの国道120号(日光街道〜沼田街道)、群馬は沼田からの国道145号、そして嬬恋村から軽井沢までを繋ぐ鬼押ハイウェーを総じて、日本ロマンティック街道と呼びます。(途中枝分かれしますが、水上、伊香保温泉も含まれます。)全長は約350km。
ドイツの各観光地を繋ぐ街道、「ドイツロマンティック街道」に習って名付けられました。実際、「ドイツロマンティック街道」と、「日本ロマンティック街道」は、姉妹街道として両国で認定されています。

日光、水上、伊香保、榛名山、浅間山などなど、日本の名勝、温泉などが沢山あり、その名にふさわしいルートとなっています。
その中でも、私は以前から訪れてみたかったのが、「川原湯温泉」。数年後にはダムの水底に沈んでしまう運命の温泉街。故郷が水の底に沈んでしまう、そんなやりきれない運命を持ったこの地の風景は、自分の心に何を訴えてくるのか、どう映るのだろうか、むしろ、そういう「どうしようもないやり切れなさ」を求めて訪れたのですが…。

今回は、東北道宇都宮ICから国道120号を沼田方面へ。伊香保温泉、川原湯温泉と訪ね歩いてみました。
宇都宮から国道120号に乗ったあたりから、雨が降り始めました。やっぱり私は雨男になってしまった様子。まだ紅葉は盛りとは言えませんでしたが、いろは坂はやはり大渋滞。はかどらない道と、冷たい雨に、悲しくなって来たが、それはすべて、雨が上がった時の高揚感への予定調和と考えるべし。
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雨足も次第に強くなり、立ち寄りたかった戦場ヶ原、丸沼高原は泣く泣く通り過ぎました。このあたりはワインディングもいい感じで、晴れてれば走りを楽しめそうなのに、どんどん奪われる体温にその余裕すら無く、逃げ込むように入ったのが、白根温泉「薬師の湯」。生き返った!温泉を出ると、雨も上がって、いきなり降られたこの旅も、希望に溢れて参りました。
曇り空でも雨が上がれば人はきっと、「晴れた」といいます。
やまない雨など、ないのだ。
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国道120号は片品村で、北は尾瀬方面、南は沼田方面へと分岐します。片品川と平行に、沼田方面へと南下、途中、「東洋のナイアガラ」と言われる、吹割(ふきわり)の滝を散策しました。これがなかなかに迫力でした。
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関越の沼田ICを超えると、国道120号は17号とぶつかります。今回は前橋のビジネスホテルに一泊の予定だったので、一旦ロマンティック街道と別れて、国道17号を前橋方面に南下します。まだ時間も早いので、一旦榛名湖方面へ。360段の石段街のある温泉として有名な、伊香保温泉を訪ねました。
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前橋で一泊して、翌朝は再び国道17号を取って返して北上。気分を変えて一旦県道35号を走って、国道145号に合流。今回の一番の目的地、川原湯温泉を目指してロマンティック街道ををさらに西へと向かいます。「ダムに沈む温泉」として、旅行ガイドやテレビなどで紹介されることの多い、川原湯温泉は、草津から見てちょうど東南に位置する、吾妻渓谷の自然に抱かれた、小さな温泉街です。
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様々の思いを胸に刻んで、川原湯温泉を出発。国道145号は草津へ向かう車で大渋滞。私も草津に立ち寄ろうと思っていたのですが、温泉に関してはもう満足して、国道145号を引き返して、早めに帰途につくことにしました。道中、秋のロマンティック街道の風景が、やたらと優しいものに感ぜられました。
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浅間山の方までは行かなかったのですが、日本ロマンティック街道の魅力を存分に味わうことが出来ました。紅葉もまだ見頃とは言えなかったのですが、移り変わる四季の途中の風景は、ゆったりとした時の流れを感じることができて、趣のあるものでした。
川原湯温泉は、やがて消えゆく運命にあります。「ダムに沈む」とか、「水底に沈む」とかそんなことを聞くと、悲しい運命を背負った街というイメージがあるかも知れません。
実は、不謹慎ながら、私は最初は「うんと悲しい、寂しいところ」を求めてこの地を訪れました。しかし、そういった悲壮感は全く感じられず、いずれはそういう運命であっても、まだ、今、この瞬間はこの川原湯温泉はしっかり生きている、そうしてこれからもまだまだ川原湯温泉は消えずにここにあるんじゃないか、そう思えるくらい、しっかりと人の営みを感じることが出来ました。
風景も、そこに住む人たちも、むしろ都会なんかよりも生暖かい血が通った場所、そんな気がして、秋には決まってうつろな私に力をくれました。

情緒もあるし、お湯も最高。空気もウマい。
そんな川原湯温泉に、ぜひ一度訪れてみてください。まだ、間に合います。
(ダムが完成しても、川原湯温泉は場所を変えて生まれ変わる予定です。生まれ変わる川原湯温泉、歴史と新しさが同居して、年中人の笑顔が溢れる、素晴らしい温泉街となることを祈ってます。思い出は心の中に永遠に残る。頑張れ!)

今回もスライドショーを作ってみました。下のバナークリックで始まります。
(BGM付きなので、音量に注意してください。)
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